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可憐なる悪の美学

「リチャード三世の悲劇」

タイトルの「リチャード三世」は実際に存在した人物で、この舞台はシェイクスピア史劇の1つとして数えられています。
またリチャード三世は悪役の代名詞といわれていて、シェイクスピア作品の登場人物の中で最も演じ甲斐のある約の1つともいわれています。

あらすじ

黒く染まり続ける覚悟をした、ある男の話。
舞台は15世紀のイングランド。当時そこはランカスター家とヨーク家による権力闘争の渦中にありました。史実ではこの争いを薔薇戦争と呼んでいます。

ヨーク家のエドワード四世は体調優れず病の床にありました。
それを好機だと考えた、王の弟であるグロスター公リチャードは、王位を自身のものにしようと企みます。
グロスター公リチャードは身体的障害を持ちながら、それをバネにして巧みな話術や緻密や戦略、狡猾な策略で政敵を次々と亡き者にし、ついに王位にまで上り詰めます。 しかし、王位の栄光もつかの間、舞台は次の展開に移ります。
ランカスター家のヘンリー七世が挙兵したのを契機に、リチャード三世の味方は次々に離れていき、最後には信じられる仲間もいないまま、ボズワースの戦いで討たれ、その生涯と舞台に幕を下ろします。

悪に徹することを覚悟した彼は多くの倫理に反する行いをし、多くの人を悲しませます。
しかし可憐なその生き様は一種の芸術として、多くの観客を魅了してきました。シェイクスピアの描く悪役は、どこか美しさを兼ね備えていると思います。

「リチャード三世の悲劇」名台詞

RICHARD. So wise so young, they say, do never live long.
(幼くて賢すぎると、長生きはできまい。)

RICHARD. A horse! a horse! my kingdom for
(馬だ、馬だ。王国とひきかえに馬をやるぞ。)